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向き癖を防ぐクッションを使う前に知っておくべきこと

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向き癖を防止するクッション、本当に効果がある?

赤ちゃんがいつも同じ方向ばかり向いて寝ている姿を見て、「これって大丈夫なのかな?」と気になり始めたことはありませんか。後頭部の片側が少し平らになってきたような気がして、スマートフォンで検索してこのページにたどり着いた方も多いのではないかと思います。

赤ちゃんの向き癖は、生後すぐから見られることが多く、放っておくと頭の形のゆがみが固定されてしまう可能性があります。できるだけ早く対処してあげたいと思うのは、親として当然の気持ちです。

「向き癖を防止するクッションを買ってみたけれど、あまり変わらない気がする」「ドーナツ枕はどうだろう」と、いくつかグッズを試したものの手応えを感じられない方もいるかもしれません。この記事では、そうした疑問や不安にお答えしながら、赤ちゃんの向き癖について大切なことをお伝えしていきます。

院長:中村

向き癖のご相談で来院されるお子さんを多く診てきましたが、「クッションを使っても良くならなかった」というケースが実はとても多いんです。グッズに頼る前に、まず原因を正確に把握することが改善への一番の近道だと感じています

目次

向き癖を防止するクッションとは何か、まず整理してみましょう

向き癖防止クッションとは、赤ちゃんが寝ている間に頭の両サイドを支えることで、一方向への向き癖をやわらげることを目的としたグッズです。形状はさまざまで、両側から頭を挟むように支えるタイプや、頭の下に置くドーナツ型のものなど、2,000円から5,000円前後の価格帯でたくさんの商品が販売されています。

ネットで「向き癖 クッション おすすめ」と検索すると、楽天やAmazonに無数の商品が並んでいることからも、いかに多くの親御さんが同じ悩みを抱えているかがわかります。気持ちはよくわかります。何か手を打ってあげたい、それが親心というものですよね。

クッションが効果を発揮するケースとそうでないケース

結論から言ってしまうと、向き癖防止クッションは、向き癖のすべての原因に対応できるわけではありません。たとえば、単純に「いつも右側に光や音の刺激があるから右を向いてしまう」という環境的な要因が主なケースであれば、ポジショニングで改善の手助けになることもあります。

一方で、出産時の吸引分娩や鉗子分娩による影響、首の筋肉そのものに問題がある筋性斜頸、体幹の神経・筋緊張のアンバランスといった身体的な原因が根本にある場合は、クッションだけで改善を期待するのは難しいのが現実です。

さらに言うと、赤ちゃんの身体を枕やクッションで固定し続けることは、寝返りなど自然な運動発達を妨げるリスクもあることが指摘されています。お子さんの運動発達を考えると、なおさら慎重に使う必要があります。

向き癖の原因は、実はひとつではありません

「うちの子はなぜ向き癖があるの?」という問いに、一言で答えるのは難しいです。なぜなら、向き癖の原因はひとつではなく、複数の要素が絡み合って起こることが多いからです。

主な原因として考えられているのは次のようなものです。子宮内での胎児の姿勢や圧迫のかかり方、出産時の吸引・鉗子分娩による首まわりへの影響、長時間の仰向け寝による頭部への持続的な圧力、首の筋肉の一方が硬くなる筋性斜頸、体幹や神経の発達の未熟さ、光や音など環境からの刺激の偏り、そして股関節の開きの左右差などが挙げられます。

これらが単独で起きているケースもあれば、複数が重なって発症しているケースもあります。原因によって適切なアプローチはまったく異なるため、「とりあえずクッションを試してみよう」という対応では、的外れになってしまうこともあるのです。

「しばらく様子を見ましょう」と言われたら?

小児科や産院で相談したとき、「成長すれば自然に治ることが多いので様子を見ましょう」と言われた経験がある方もいるかもしれません。確かに、軽度の向き癖であれば、首が座り寝返りができるようになるにつれて自然に改善することもあります。

ただし、生後4か月を過ぎても向き癖が続いていたり、頭の形のゆがみが目立ってきたりしている場合は、「様子を見る」という選択が正しいとは言い切れません。頭蓋骨が柔らかく変形しやすいこの時期を逃してしまうと、改善がどんどん難しくなっていきます。生後6か月頃までが、最も効果の出やすい黄金の時期と言われています。

向き癖を放置するとどうなるの?正直に伝えます

お子さんのことが心配だからこそ、少し怖いかもしれませんがここは正直にお伝えします。向き癖を放置した場合、頭の形のゆがみが固定化し、成長しても改善されなくなる可能性があります。

重症化すると、目や耳の位置がずれる、顔が左右非対称になる、歯並びや噛み合わせが悪くなる、顎関節のトラブルを起こしやすくなる、といった問題につながることがあります。また近年の研究では、頭のゆがみがある子どもに運動発達や神経発達の遅れが見られた例が複数報告されており、無視できない問題です。

寝返りが片側にしかできない、ズリバイやハイハイが左右非対称になるといった発達の遅れは、向き癖と無関係ではないかもしれません。「頭の形だけの問題でしょ」と軽く考えてしまうのは少し危険です。

ヘルメット治療は唯一の選択肢ではない

向き癖や頭のゆがみの対処法として、ヘルメット治療を勧められた方もいるかもしれません。1日23時間装着するこの治療法は、費用が30万円から50万円程度と非常に高額で、蒸れによる湿疹などの皮膚トラブルが起きやすいことも知られています。また、生後6か月を過ぎると治療効果が限定的になることも覚えておく必要があります。

ヘルメット治療に踏み切れずにいる方、その気持ちはとてもよくわかります。でも、ヘルメットだけが選択肢ではありません。大切なのは、お子さんの向き癖の原因を正確に把握したうえで、その原因に合ったアプローチをとることです。

クッションを試しても改善しない場合、次のステップへ

向き癖を防止するためのクッションやドーナツ枕を使ってみたけれど、思ったような効果が感じられなかった。そういった方がカイロプラクティックや整体院への相談を考え始めるのは、自然な流れだと思います。

接骨院・整体院での施術では、赤ちゃんの首や体幹の筋肉の緊張バランスを整えるアプローチを行います。筋肉の緊張をほぐし、身体が自然な姿勢をとれるようにサポートすることで、向き癖の根本的な改善を目指します。身体に優しい施術ですので、小さな赤ちゃんでも安心して受けていただけます。

改善のために今すぐできること

専門家への相談と並行して、日常生活の中でできる工夫もいくつかあります。授乳のたびに左右交互に抱く方向を変える、おもちゃや声かけで赤ちゃんが自発的に向き癖と反対の方向を向くよう誘導する、目を離せる時間におなかを下にした「タミータイム(うつ伏せ遊び)」を取り入れるといった方法です。ただし、無理やり首を反対側に向けることは避けてください。筋肉を傷めるリスクがあります。

早期に気づいた今がチャンスです

このページを読んでいるということは、まだお子さんが小さいうちに向き癖に気づけたということ。それはとても大事なことです。頭蓋骨が柔らかく、可塑性の高い生後6か月頃まではアプローチへの反応もよく、改善のスピードも早い傾向があります。

「もう少し様子を見てから」と思って先延ばしにしてしまうほど、改善に時間がかかるようになります。お子さんのために「今動く」という選択が、結果的に一番の近道になります。

よくある質問にお答えします

Q. 向き癖は何か月までに対処すれば良いですか?
頭蓋骨が柔らかい生後6か月頃までが最も効果の出やすい時期です。生後3か月頃に対処を始められれば、2〜4か月程度で良好な状態になることもあります。生後12か月が一つの目安ですが、早ければ早いほど改善しやすいです。

Q. 手作りの向き癖防止クッションは効果がありますか?
タオルを丸めて使う方法なども紹介されていますが、効果の面では市販品と大差なく、根本的な原因にアプローチできない点は同じです。応急処置として使いながら、専門家への相談を並行して進めることをおすすめします。

Q. 病院で「問題ない」と言われたのに心配です。
医療機関での「経過観察」という判断は、緊急性がないという意味であって、「何もしなくても必ず治る」という意味ではありません。心配な気持ちがあるなら、専門家の目で改めて状態を確認してもらうことは何の問題もありません。

私がこれまで多くのお子さんの向き癖と向き合ってきて感じることは、「早く動いて損した」という例は一つもないということです。クッションやドーナツ枕を試しても改善しなかった方、ヘルメット治療を勧められたが費用や負担が心配な方、病院で様子見と言われたけれど不安が消えない方、ぜひ一人で抱え込まずに相談してほしいと思っています。お子さんの大切な時期を一緒にサポートさせてください。


院長:中村

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