
院長:中村お気軽にご相談ください!
赤ちゃんを寝かせるたびに、気づくと同じ方向ばかり向いている。反対側に向けようとすると嫌がって泣いてしまい、後頭部の形が少し気になってきた。そんな小さな違和感を抱えている方も多いのではないでしょうか。
ひろ接骨院・奈良院の中村晃大です。この記事では、赤ちゃんの向き癖で迷ったときに、家で確認できること、無理に触らないほうがよい状態、相談を考えたいタイミングについてお話しします。
先に全体像を確認したい方は、赤ちゃんの向き癖の症状ページもあわせてご覧ください。この記事では、日常で確認しやすいポイントから順にお伝えします。


体の傾きも含めて確認しましょう
まず確認しておきたいのは、赤ちゃんがどちらの方向を、どのくらいの時間向いているかという点だ。一日のうちのほとんどが同じ方向なのか、時間帯によって変わるのかでも受け止め方は違ってくる。
右か左か、いつも決まった方向を向いているなら、それが向き癖と呼ばれる状態にあたる。仰向けで寝ているとき、抱っこや授乳のときにも同じ方向へ顔が向きやすいかどうかを、あわせて見ておきたい。ベビーカーに乗せているときの向きも、意外と手がかりになる。
反対側に向けたあと、すぐに元の方向へ戻るのか、しばらく反対を向いていられるのかによっても、体の使い方の傾向は変わってくる。数日かけて写真などで観察してみると、癖の強さや変化の様子が見えてくることが多い。
反対側を向かせようとすると激しく泣いて嫌がる、という相談は決して少なくない。
この場合、首を動かす筋肉のどこかに緊張があり、動かしにくい方向が生まれている可能性がある。首だけでなく、体全体がわずかに捻れていたり、片側へ傾いていたりすることが関わっているケースもある。無理に力を加えて向かせようとするのは避けたほうがよい。
泣き方が強く、首の動きに明らかな左右差がある場合は、自宅での工夫より先に、体の状態を一度確認しておきたい。抱っこの際に片側だけ嫌がるようなら、その方向も記録しておくと相談の際に役立つ。
向き癖には、一つだけの原因ではなく、いくつかの背景が重なっていることが多い。
赤ちゃんはお腹の中で長い時間、ある程度決まった姿勢のまま過ごす。妊娠後期になるとお腹の中で動ける範囲が狭くなり、特定の向きで過ごす時間がどうしても増えていく。その姿勢のまま生まれてくると、生後もその向きの癖がしばらく残ってしまうことがある。
吸引分娩や鉗子分娩など、出産のときに頭部へ圧力が加わったことが影響しているケースもある。分娩の経過によって、頭の一部にかかる圧力の大きさや方向が変わってくるためだ。
首にある筋肉の一部が硬くなっていると、動かしにくい方向ができてしまい、自然と向きやすい方向だけを向くようになる。これがいわゆる筋性斜頸と呼ばれる状態に近い。
体幹の筋肉や神経の発達がまだ未熟なうちは、左右どちらかに寄りやすい状態も見られる。新生児の左向きが続く場合、右側の首の筋肉に緊張があることも少なくない。授乳や抱っこの向きが片側に偏っていないかも、あわせて振り返っておきたいところだ。
赤ちゃん自身が同じ方向を向いてしまう理由には、寝る環境も関わっていることがある。
光が入ってくる方向や、家族がいつも立つ位置、声が聞こえてくる方向など、周囲の環境によって同じ方向を見る時間が長くなりやすい。カーテンの隙間からの光や、テレビの音がする位置なども、案外影響していることが多い。日中と夜間で光の入り方が違う部屋では、その差が向きの偏りに拍車をかけることもある。
寝かせる位置や声をかける方向を少し変えるだけで、向きの偏りが緩やかになることもある。ベビーベッドの向きを部屋の中で入れ替えてみるのも、試しやすい工夫のひとつだ。
なぜ同じ方向ばかり向いてしまうのか、その仕組みを一つずつ見ていくと、向きやすさが積み重なっていく流れが見えてくる。
同じ方向ばかり向いていると、その側の後頭部に圧力がかかり続け、頭の形が少しずつ変わってくる。頭の形が変わると、寝かせたときにさらにその向きへ寄りやすくなり、癖がより強まっていくという流れが起こりやすい。放っておくと、この循環がゆっくりと進んでしまうことがある。数か月単位で見ると、癖の方向がだんだん固定されていく印象がある。
実は、向き癖と頭の形の変化は、どちらが先に起きたのかというより、お互いに影響し合っていることが多いように感じている。加えて、体の捻れや傾きが向きやすい方向をつくり、それが頭の形の変化とつながっていくこともある。
自宅でのケアには、続けやすいものと、無理をしないほうがよいものがある。優先順位をつけて考えてみたい。
まずは次のような、生活の中で無理なく始められることから見直してみるとよい。
一方で、うつぶせ寝は窒息のリスクがあるため、医療機関では推奨されないことが多く、自己判断で長時間続けるのは避けたほうがよい。ドーナツ枕やクッションだけで大きな変化を期待するより、生活の中の小さな工夫を積み重ねていく考え方のほうが、結果として続けやすいように思う。
健診で様子を見ましょうと言われても、本当にそのままでよいのか迷う方も多いだろう。
軽度の向き癖であれば、首がすわる時期や寝返りができるようになる時期にかけて、自然と向きの偏りが減っていくことが少なくない。焦らず様子を見てよい場合が多いものの、目安として知っておきたい状態もある。
反対側を向かせると強く痛がるように泣く、首の動きに明らかな差があるときは、経過を見るより先に一度確認しておいたほうが安心だ。念のため、小児科など医療機関へ相談したほうがよい状態といえる。
後頭部の片側が平らになってきたと感じる場合、頭の形の変化と首の動きの両方を確認しておく必要がある。
頭の形については、医療機関でヘルメット治療などが選択肢になることがあるとされる。適応や時期は月齢や頭の形の状態によって判断が変わるため、詳しくは医療機関で確認してほしい。
個人的には、頭の形だけを気にするより、首の動きやすさや体全体の使い方まで含めて確認したほうが、向き癖の背景をつかみやすいと感じている。体の捻れや傾きがあると、寝かせたときの姿勢そのものが片側に寄りやすくなるため、その点もあわせて見ておきたい。次のような点に気づいたら、自宅で様子を見続けるより先に、一度相談しておきたい。
反対を向かせると激しく泣いて嫌がる状態が続く
後頭部の平らな部分がはっきりしてきた
こうした点が重なっている場合は、頭の形だけでなく、体の使い方まで含めて確認することをおすすめしたい。
向き癖は一つの原因で説明できるものではなく、お腹の中での姿勢、出産時の影響、首の筋肉の状態、生活環境が組み合わさって起こることが多いとお伝えしてきた。
今日からできることとして、まずは寝る位置や声をかける方向を少し変えることから始めてみてほしい。反対側を向かせたときの反応も、日々の中で続けて確認しておきたいところだ。小さな変化に気づけるようになると、次に相談すべきタイミングも判断しやすくなる。
頭の形や首の動きの癖まで含めて確認したい方は、ひろ接骨院・奈良院へお気軽にご相談ください。

